「記事の質を上げるには一次情報が必要」とお伝えすると、「そんな特別な取材をする時間がない」「わざわざ準備するのは大変そうだ」というお声をいただくことがあります。ですが、一次情報とは必ずしも改まった取材や大掛かりな調査を指すものではありません。今回は、すでに社内の業務の中にある一次情報の見つけ方についてお伝えします。
このページで分かること
- 一次情報のハードルが高く感じられてしまう理由
- すでに社内にある一次情報の具体例
- 完璧な取材でなくても記事の質が変わる理由
なぜ「一次情報」のハードルが高く感じられるのか
「一次情報」という言葉には、記者が現場に足を運んで取材する、あるいは専門家にインタビューするといった、改まったイメージがつきまといがちです。そのイメージが先行すると、「そんな時間も体制もない」と、提供すること自体を諦めてしまう発注者様も少なくありません。しかし、コンテンツ制作の文脈で言う一次情報とは、「その会社・その現場でしか得られない実体験や判断根拠」全般を指します。新たに取材の場を設ける必要はなく、すでに日々の業務の中で生まれているものがほとんどです。
すでに社内にある一次情報の例
①商談・現場での顧客とのやり取り
商談や現場対応の中で顧客から受ける質問や、不安に感じている点についての会話は、そのまま貴重な一次情報です。「よくこう聞かれる」「こう説明すると納得してもらえる」といった実務の積み重ねは、外部のライターが取材だけで得ることはできません。
②過去の見積もりや提案で工夫した点
過去の案件で、他社と差別化するために工夫した提案内容や、条件に応じて調整した見積もりの考え方も一次情報になります。特別なことをした認識がなくても、それが貴社の強みや専門性を示す材料になっていることは珍しくありません。
③日報・議事録・チャットのやり取り
日報や社内の議事録、LINEやチャットツールでのやり取りなど、すでに記録として残っているものも活用できます。改めて言葉にし直す必要はなく、記録そのものから記事に使える表現や視点を拾い上げることが可能です。
④ベテラン社員の「当たり前」になっている判断基準
長く現場に携わっている社員にとって「当たり前」になっている判断基準は、外部の人間や新しい顧客にとっては新鮮な情報であることが多いです。「なぜそうしているのか」を一つ聞くだけで、暗黙知が言語化されるきっかけになります。
「特別なもの」と思わなくていい理由
一次情報は、完成された一つのストーリーとして用意する必要はありません。断片的な情報であっても、いくつかを組み合わせることで、記事としての説得力は十分に生まれます。むしろ、断片的な素材を整理し、記事の構成に落とし込む作業こそ、外部のライターやディレクターが担うべき役割です。発注者側に求められているのは、完璧な取材ではなく、日々の業務の中にある素材を「これも使えるかもしれない」という感覚で共有していただくことだけです。
よくある質問
議事録やLINEのやり取りをそのまま渡しても大丈夫ですか?
そのままお渡しいただいて問題ありません。個人情報や社外秘の部分はこちらで除外・伏せた上で、記事に使える一次情報として整理します。生の記録の方が、後から思い出して書くよりも実感のこもった内容になることが多いです。
断片的な情報しかない場合、記事になりますか?
断片で構いません。むしろ、いくつかの断片的な一次情報を組み合わせて一つの記事にまとめる作業こそ、外部のライターやディレクターが担う役割です。完成された話としてまとめてから渡す必要はありません。
ベテラン社員の「当たり前」は、どうやって聞き出せばいいですか?
「なぜそうしているのですか」と一つ質問を重ねるだけで、当たり前になっている判断基準が言語化されることがよくあります。改まったインタビュー形式でなくても、日常の会話の延長で十分に一次情報は引き出せます。
