私の好きなもの~ガンダム③・ざっくり作品別説明・∀から鉄血のオルフェンズまで

前回の記事からかなり間があいてしまったorz
三日坊主にも程があるけど前回の記事の続きを書いていきたいと思います。

∀ガンダム

1999年から2000年にかけて放送された∀ガンダムはガンダムシリーズの中でも少し特殊な立ち位置です。
ガンダムの前についている「∀」は「ターンエー」と読みます。Aが上下反転しているのでターンエーです。
この作品が特殊という理由はその設定にあります。

ガンダム作品の世界は未来の地球を舞台にしています。
宇宙には人間の居住空間であるコロニーがあり、多くのガンダム作品はそのコロニーに住む人類と地球に住む人類の戦いを描いてきました。しかしこの∀ガンダムの世界では地球の文明が現代よりも遅れているのです。
これは∀ガンダムが搭載している特殊なシステム「月光蝶」で地球の文明を物理的に分解してしまったからです。そのため地球人類は文明を原始時代のような状態から築き直さなければいけなくなり、現代より衰退した状態の地球で物語は始まります。

そんな世界で主人公の「ロラン・セアック」は月にある国家(ムーンレイス)からスパイとして地球に送り込まれ、地球人として過ごすうちに地球側の軍勢としてムーンレイスと戦います。この作品の特殊なところは世界だけではなく物語の奥深くにあります。あまり書いてしまうと重要なネタバレになってしまうので書けませんが全てのガンダム作品と大きく関わる設定です。

∀ガンダム最大の特殊性は、ぜひみなさんの目で確かめて頂ければと思います。

機動戦士ガンダムSEED

機動戦士ガンダムSEEDは「21世紀のファーストガンダム」として制作されました。
主人公の学生「キラ・ヤマト」は宇宙コロニープラントの軍勢であるZAFT(ザフト)が地球軍の最新モビルスーツである5機のガンダムを強奪する現場に居合わせます。
そこから地球軍とザフトの戦いに巻き込まれ、戦いと人間関係に悩みながら成長していきます。

戦場や戦場外での出会いと別れ、キラの出生にまつわる秘密などが物語の中で明らかになり、そういった中で成長するキラ。それぞれのキャラクターの内面の変化などある種の群像劇の面も持ち合わせています。
この作品は特に主人公であるキラと、彼の幼馴染でザフトのエリートであるアスランとの関係が大きく描かれておりこれまでのガンダム作品ではあまりなかった友情に軸を置いた物語展開になっています。

ちなみに多くのガンダム作品はタイトルの名前のガンダムが主人公の搭乗機となります。しかしこのガンダムSEEDの「SEED」はガンダムの名前ではなくキラやアスランが持つ能力を指します。
キラの搭乗するガンダムは最初は地球連合軍製のストライクガンダムですが、後半からヒロインであるラクス・クラインの手引きによりZAFT製のフリーダムガンダムへ乗り換えます。

このフリーダムガンダムはガンダムシリーズの中でも特に人気が高く中国は上海のららぽーとに実物大が展示されています。興味のある方はこのガンダムを見るために上海に行ってみてはいかがでしょうか。

機動戦士ガンダムSEED DESTINY

「21世紀のファーストガンダム」として制作された作品が「機動戦士ガンダムSEED」です。この作品の放送から1年後にスタートしたのが「機動戦士ガンダムSEED」の続編、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」になります。
SEED DESTINYは前作から2年後が舞台の作品で主人公が入れ替わり立ち替わる、これまでにないようなテイストの作品となりました。

最初の主人公は前作で敵対組織だったZAFTのエリートパイロット、「シン・アスカ」です。彼はSEEDの際に起きたとある戦闘で両親と妹を亡くし、自身の出身国であるオーブを憎んでいました。家族を失ったシンはZAFTに入隊し、あっという間にエリートパイロットの証である赤服に身を包むようになったのです。

物語の開始から様々な人物との出会いや別れを経て戦い抜いていくシンですが、彼の戦いは常に迷いや怒りとともにありました。一方で前作の主人公キラ・ヤマトや親友のアスラン・ザラも物語に関わってきて、多くの人の思惑や感情が渦巻く複雑な人間模様もこの作品の魅力と言えます。

複雑な人間模様の他にも前作からパワーアップしたモビルスーツやファーストガンダムに登場したモビルスーツのリメイクなど見どころは盛りだくさんです。魅力あふれる機動戦士ガンダムSEED DESTINYをぜひご覧になってはいかがでしょうか?

機動戦士ガンダム00 ファーストシーズン

「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の放送から2年後、全く新しい世界観で新たなガンダムがスタートしました。それが「機動戦士ガンダム00」、世界から戦いを無くすために戦うガンダムマイスターたちの物語です。

ガンダム作品ではそれぞれ宇宙世紀やコズミック・イラなどオリジナルの暦が使用されてきました。しかし00の世界では我々の世界と同様に西暦が使われています。物語の開始当初は三大国家による覇権争いが行われているなどっここも我々の世界とどこか似たような空気感を漂わせています。そんな中でガンダムは世界から紛争行為を根絶するために活動し、圧倒的な性能で様々な戦場に武力介入を繰り返していきます。

主人公の「刹那・F・セイエイ」はガンダムを以って世界の紛争に武力介入を行う私設武装組織「ソレスタルビーイング」のパイロット、ガンダムマイスターです。中東で生まれ育った彼は幼いころから紛争の中に身を置き、戦いとともに生きてきました。そんな彼が仲間たちとともにガンダムで武力介入を行い、その果てに何を見出すのかというのが見どころの1つとなります。

これまでにない新たな動力機関「GNドライブ」で稼働するガンダムやソレスタルビーイングの創設者「イオリア・シュヘンベルグ」など様々な設定は多くのファンを引き付けました。

機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン

ファーストシーズンから1年後に放送を開始したのが「機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン」です。設定はファーストシーズンから4年後、ファーストシーズンで非戦闘員の少年だった「沙慈・クロスロード」から物語は始まります。

ファーストシーズンで散り散りになったソレスタルビーイングメンバーの再集結から彼らの戦いは再び始まります。世界の裏で暗躍する者たちやイオリア・シュヘンベルグがGNドライブとガンダムを作った意味などファーストシーズンで分からなかった謎が次々に明らかになっていくのです。

主人公はファーストシーズンから引き続き「刹那・F・セイエイ」が務めます。セカンドシーズンで彼が搭乗する00(ダブルオー)ガンダムは一見するとただの高性能機です。しかしこの00ガンダムには世界を変革しうる重要な秘密が隠されています。

ファーストシーズンから世界を相手にしてきたソレスタルビーイングの戦いは、世界の裏で暗躍する者たちを討つことで終わりを迎えます。自身の戦いの意味を考え続けてきた刹那が出す答えとは?そして全ての秘密が明らかになった時に起こる世界の変革とは?

個人的にはガンダムシリーズの中でも特に好きな作品の1つです。

機動戦士ガンダムAGE

機動戦士ガンダム00のセカンドシーズンから3年後、新たな舞台と設定で始まったのが「機動戦士ガンダムAGE」です。AGEの最大の特徴は親子3代による大河ドラマのような長い戦いの物語と、進化するガンダムです。物語は「フリット・アスノ」を主人公とした第1部、フリットの息子の「アセム・アスノ」を主人公とした第2部、アセムの息子「キオ・アスノ」を主人公とした第3部、そして3世代が揃う第4部という構成になっています。

最初の主人公フリットは少年期にの謎の敵UE(アンノウン・エネミー)との戦いに巻き込まれ、長い戦いの人生を歩むことになるのです。その息子のアセムは人間関係や自身の能力に葛藤しながらも、戦いと日常の中で成長していきます。アセムの息子でありフリットの孫であるキオは祖父母や母に育てられ、優しくも優れたガンダムパイロットとして成長しました。そんなキオも戦いの中で世界の真実を知り、悩み、戦いの意味を求めます。

長い長い戦いの果てにアスノ家の3世代がどのような答えを出し、戦いを終わらせるのか、壮大な物語は他のガンダムシリーズに比べて見応えたっぷりです。従来のシリーズに比べてキャラクターデザインが可愛らしく子どもでも興味を持ちやすいように作られているため、親子でガンダムの魅力にハマってみてはいかがでしょうか。

ガンダム Gのレコンギスタ

機動戦士ガンダムAGE終了後、ガンダムの生みの親である富野由悠季氏が∀ガンダム以来15年ぶりに脚本・総監督を務めたのが「ガンダム Gのレコンギスタ」です。15年ぶりに手掛けるガンダム作品ということもあり富野氏の気合の入った一作となりました。

このGのレコンギスタの舞台はファーストガンダムからはじまった宇宙世紀の遠い未来、リギルド・センチュリーと呼ばれる世界です。宇宙世紀から地続きとも呼べるリギルド・センチュリーではモビルスーツやミノフスキー粒子といった宇宙世紀由来の言葉も数多く登場します。

そんな世界で生きる主人公「ベルリ・ゼナム」は自衛組織キャピタル・ガードの候補生です。ある日、突如飛来した謎のモビルスーツと1人の少女との出会いにより、ベルリは様々な組織が入り乱れる戦いに巻き込まれていきます。そんな戦いの中で明らかになる世界の真実はベルリをどのように成長させるのか、また登場人物たちの複雑な内面も見どころの1つです。

富野氏渾身のこの作品は多くのガンダムファンの支持を集め、テレビ版を再編集した劇場版も公開されました。ガンダムシリーズの特徴である人間ドラマも魅力の1つですが富野氏独自のセリフ回し、「富野節」も必見です。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ファーストシーズン

壮大な物語と可愛らしいキャラクターから一転して、無骨なキャラクターやモビルスーツを伴って開幕したのが「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」です。この鉄血のオルフェンズは00同様にファーストシーズンとセカンドシーズンの2部制となっております。

主人公は火星の民間軍事会社CGSに所属する少年兵「三日月・オーガス」、彼は同じ少年兵の仲間たちとともに厳しい戦いの中で生きてきました。大人たちに虐げられてきた三日月たちはは幼馴染の「オルガ・イツカ」がリーダーとなりCGSに対してクーデターを起こして組織を乗っ取ります。そして少年兵を中心に構成された「鉄華団」を立ち上げ、様々な人物や組織と時に敵対し、時に手を組み生き抜いていきます。

三日月が搭乗するガンダムバルバトスは、作品世界で大昔に起こった戦いの後に残されたガンダムフレームと呼ばれるモビルスーツの1機です。ガンダムフレームは全部で72機が存在し、外伝作品を含めても未だ半分も明らかになっていません。そのため、今も新しいガンダムフレームのモビルスーツが発表されているのです。

まだ少年でありながら戦場で生きる三日月たちの生きるための戦いを目にすることで、我々の世界で起きている戦争や紛争についても考えさせられる作品です。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ セカンドシーズン

ファーストシーズンから半年後に鉄血のオルフェンズのセカンドシーズンがスタートしました。ファーストシーズンでは様々な組織が入り乱れ、敵味方問わず多くの命が失われました。失われた仲間たちの命に報いるためにも三日月たち鉄華団は戦い続けています。

ファーストシーズンで大仕事を成し遂げた鉄華団は事業を拡大し、火星と地球で有名な注目の組織へと成長しました。それでも団長のオルガの野望は止まらず、火星の王を目標に戦いに明け暮れます。一方主人公の三日月はファーストシーズン終盤の戦いでガンダムを酷使ししたため身体の一部が機能しなくなりますが、変わらず鉄華団のエースとして戦い続けていました。

セカンドシーズン後半に差し掛かるとファーストシーズン以上に多くの命が失われ、戦いは泥沼の様相を呈していきます。次々と仲間たちの命が失われていく中で、自分たちが何のために戦っているのかを考え続ける鉄華団。戦い、抗ってきた彼らの命はどこに辿り着くのか、その結末は見る人すべてにとって衝撃的でした。

今もなお新しいガンダムフレームが発表されるため、まだまだ今後の展開も楽しみな作品です。